【Flower Stories#005】みのひとつだになきぞかなしき

差し出した八重の花。
その真意とは。



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文武両道の武将、太田道灌

主人公は、【太田道灌】という武将。
室町時代(1432年~1486年)に活躍した武将です。

太田道灌という名前は、あまり知られていなくても、【山吹伝説】という逸話は知っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。落語にも、この伝説をもとにした【道灌】という演目があるようです。

実は、道灌、以前は”武術だけ”優れた武将でした。しかし、このヤマブキの一件から、文の勉学に励み、文武両道の一流の武将になったと言い伝えられています。

作品中のように、もの凄く落ち込んだかは定かではありませんが、自分の劣っているところを素直に反省し、精進するところは現代にも通ずる教訓ですね。

さて、肝心の植物の方の【ヤマブキ】ですが、バラ科ヤマブキ属の落葉低木で、4月から5月ごろ黄金色の花を咲かせます。

「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」の歌の中に八重とありますので、八重咲のヤマブキだったのでしょう。実は、八重咲のヤマブキは、雄しべが花弁になり、雌しべも退化しているので【実らない】そうです。

【実のひとつない】は本当に【実がない】わけです。

こんな話から、植物の生態を知れるというのも面白いですね。

ちなみに学名のKerria japonicaですが、japonicaは、【日本の】を意味します。日本原産ということですね。Kerriaは、スコットランドの植物学者・ガーデナーの【ウィリアム・カー】さんが由来です。当時、未知な植物の宝庫だった中国に、植物採集に出向いた最初のプラントハンターの一人だったようですね。

園芸品種の「ヤエヤマブキ」 cv. Pleniflora(プレニフロラ)を(おそらくイギリスに?)持ち込んだという業績から、William Kerrの名前に因んで、ヤマブキの学名を【Kerria】と名付けた、ということらしいですよ。

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