【Flower Stories#034】躑躅の咲きたるが如く

戦国武将人気ナンバーワン、真田信繁をあの花に例えて…



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ツツジは漢字で『躑躅』。その意味は?

時は戦国。大坂夏の陣。

【真田信繁は、茶臼山に陣を構え、赤き旗を立て、鎧も赤一色にて、躑躅(ツツジ)の咲きたるが如し。】

こう記したのは薩摩の島津家当主、島津忠恒という大名。入り乱れる合戦の最中、真っ赤な赤備え(真田軍の甲冑や旗印などが赤で統一されていたことによる愛称)が躍動する様子を、【躑躅(ツツジ)】が咲き誇っていると例えて表現するセンス!イラストを描く上でも先人から美的感性を学ぶことは非常に大切だなあと感じます。
ツツジから、まさか真田信繁の赤備えをイメージすることになろうとは意外でしたが、それも花が古来より脈々と親しまれているからこそ。歴史ロマンを感じます。

ちなみに真田信繁のことを【日の本一の兵】とよく言いますが、
島津忠恒の書いた手紙の中の、この一文が元と言われています。

ツツジを漢字で【躑躅】と書きます。こんな難しい漢字がなぜあてられているのかと思い、ちょっと調べてみました。

躑躅は、【テキチョク】とも読み、足踏みをしてなかなか進まないとか、行っては止まるといった【躊躇】という意味があるようです。何で足踏みしてなかなか進まない様子が当てられているのかといいますと、
諸説あるようですが、

①その美しさに立ち止まるから
②シナレンゲツツジというツツジ科植物の漢名が【羊躑躅】だったことから

②の【羊躑躅】はツツジ科のRhododendron molleでシナレンゲツツジという植物のこと。羊という字が使われているのは、これを食べた羊が足元がおぼつかなくなり死んでしまったことから、羊もこの葉を食べるのを躊躇してしまうというのが由来のようです。ツツジ科の植物には、毒性があるんですね。

あれ?自分、小学校のころ、下校途中ツツジの蜜を吸ってました!
毒があるんじゃ…、大丈夫でしょうか…。

とまた調べてみますと、実は毒性のあるものとそうでないものがあります。全てのツツジに毒性があるわけではありません。当時中毒になった記憶はありませんので、毒性のないものだったのでしょう。

毒性のあるものは、、、【レンゲツツジ】の仲間です。朱色、オレンジや黄色っぽい色の花を咲かせるツツジです。グラヤノトキシン・ロドジャポニンと呼ばれる神経毒で、「嘔吐、痙攣、ふらつき、歩行困難、麻痺、呼吸困難」など間違ったでは済まない症状が現れるようです。

確か自分が吸っていたのは、赤ピンクっぽいツツジで、無毒の【ヒラドツツジ】だったようで、何も知らずに【レンゲツツジ】を吸っていたら、ぞっとします。ただし、回復が早く致死率は高くないみたいで、直ちにどうこうなるわけではないとのことですが、ペットや小さいお子様などはやはり危険です。

レンゲツツジは、園芸品種としても公園なんかで植栽されていることもあるようですので、決して間違えて蜜を吸ってしまうことの無いようにご注意ください。

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