【Flower Stories#044】ハンガリー王妃の水

それは若返りの水



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ハンガリーウォーターにまつわる物語とローズマリーの薬効

ハンガリー水(ハンガリーウォーター)は、ローズマリーをアルコールと一緒に蒸留したもので、ローズマリーから抽出された有効成分や芳香で化粧水や薬酒として知られています。12世紀に誕生したラベンダー水と同様に、アルコールベースの香水の起源とされているそうです。

さて、今回のストーリーは、そのハンガリー水にまつわる物語でした。あらすじはこうです。

70歳を超えた高齢の王妃は、手足のしびれ(リューマチであったとされる)に苦しんでいた。それを治すために、修道士、錬金術師、もしくは廷臣が、ハンガリー水を献上した。これを外用した王妃はみるみる回復し、若返ったことから、ポーランド王に求婚され、ハンガリーとポーランドは一つの国になった。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ところが、この話は少々突っ込みどころがあるようです。

ポーランド王は、王妃エリザベートの息子、ラヨシュ1世が兼任しており、息子が母親に求婚することは考えにくいということ、その他の求婚する可能性がある人を探してみても見つからないことから、おそらく、ローズマリー水を商品として販売しようとした際、ストーリーを考えて箔と信用をつけようとしたのではないか、というのが説を唱える学者さんもいるようです。実際のところはどうだったのでしょうね。

一方、ローズマリーそのものの薬効は、広く受け入れられており、治療薬、香水として世界中で愛されています。肌のたるみやむくみを解消する高い収れん作用、高い抗酸化能によるアンチエイジング、リウマチや外傷に外用されるなど、様々なシーンで利用され栽培されてきました。肉料理やハーブティーなどの飲食にも利用されていますし、もちろん園芸植物としても生け垣やグランドカバーなどにも利用されています。

ローズマリーは地中海沿岸が原産で、属名Rosmarinusは、Ros…露、marinus…海、ということで海岸にも自生しています。塩害にも強く、様々な場面で、我々人間はローズマリーに助けられてきたことでしょう。本当に素晴らしいパートナーです。


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