【Flower Stories#035】ゼウスの悩み

ゼウスに降りかかった難題。解決の先にはあの花の誕生物語。

ゼウスとヘラと、ゼウスの隠し子とのワチャワチャした話。とある有名なお花が関係してきます。そんなお話。



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ユリの誕生物語。
一緒に誕生したのは、満天の星空でした。

ゼウスとヘラと、ゼウスの隠し子アルケイデス(ヘラクレス)、そして、ヘルメス。ギリシャ神話の中でもよく知られる個性的なキャラクターが登場するこのお話ですが、基本的なあらすじはこうです。

ゼウスは、人間の妻アルクメネを見初め、アルケイデスが誕生する。ゼウスは半神半人のアルケイデスを不死身にして、最強の神にしようと妻ヘラの乳を飲ませようとするが、ヘラは拒否。
ゼウスはあきらめきれず、ヘラを睡眠薬で眠らせ、アルケイデスをヘラの胸元に置いた。するとアルケイデスは、ヘラの乳をもの凄い勢いで飲みはじめ、それにびっくりしたヘラはアルケイデスを押しのけた。アルケイデスが乳首から離れた拍子に、ヘラの乳が飛び散る。その雫が地上に落ちたところに白いユリの花が咲いたとされ、天空に向かって飛んで行ったものは天の川となった。

神話と伝説にみる花のシンボル事典 参照

ヘルメスに忍び込ませて、アルケイデスをヘラの胸元に置かせたという話もある。

日本の七夕、織姫彦星の天の川は、海外ではミルクの道と表現されており、ヘラの、飛び散ったお乳から誕生したと語り継がれています。


【Memo1】
ヘラがアルケイデスに送った毒ヘビ。これはおもちゃではなく、本当に毒ヘビでした。ところが、アルケイデスは生後8カ月にもかかわらず、素手でこれらを退治したというエピソードがあります。作中では、おもちゃと勘違いしているように描いていますが、実際は、アルケイデスがとてつもなく強い事を象徴するエピソードの1つで、後世にまで語り継がれているエピソードです。

また、ヘラの母乳は、力や不死身の体を手に入れることができると言われ、ゼウスはアルケイデスを最強の戦士にするべく、一計を案じたとされています。

【Memo2】
ギリシャ神話の親子関係や親族関係はめちゃくちゃ複雑で、正直理解する気も起きないほどです。ゼウスが至る所で子供を作ってしまうこともその一因となっていることでしょう。ヘラが、アルケイデスには毒蛇を送るほど憎んでいたのに対して、自分の子ではなくともヘルメスには愛情を注いでいたようです。自身の母乳を与えたことで母性が芽生えたか、ヘルメスの人なつっこい性格からか、いずれにせよアルケイデスは、ヘラからはどうも好かれていなかったようですね。

ギリシャ神話の神々には、象徴とする動物(聖獣)が当てられているそうなのですが、ヘラの聖獣が「牝牛」。作中では、お気に入りのぬいぐるみで登場してもらいました。ちなみに聖鳥は、孔雀。


ユリの花について

ユリはユリ科の球根植物で、花期は初夏から夏にかけての5月~8月です。花形は、周知のとおりで『立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花』と称されるように、大ぶりで気品漂う花を咲かせます。
和名の「ユリ」は、風が吹くと大きな花がユラユラと揺れるところから「揺すり」と言われ、「ユリ」と呼ばれるようになったそうです。漢字の「百合」は、花の鱗片が数多く重なり合っているところかきていると言われています。

野生種もたくさん存在( 約100品種あり、そのうちの15品種ほどが日本に自生しています )しており、品種改良された園芸種でなくとも存在感は抜群で目を惹きつけられる魅力がありますね。

飲めば不死身となると言われるヘラのお乳から生まれたユリ。不死身とまではいかないまでも、もしかしたら、私たちも見ているだけで何かしらのエネルギーを感じているのかもしれませんね^^。

野生種のユリ

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