【Flower Stories#032】太陽に恋して

太陽を向く花の誕生物語



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水の妖精クリュティエの失恋物語

今回のフラワーストーリーズの主役は、【太陽を向く花】でした。
あらすじはギリシャ神話を基にして作っていますが、それぞれの登場人物の特徴等は創作ですので、ご了承いただきながら、楽しんで頂ければ幸いです^_^

あらすじは、こうです。

モテモテで恋多き太陽の神アポロンから寵愛を受けていた水の妖精【クリュティエ】。しかし、アポロンはペルシャ王オルカモスの娘である【レウコトエ】に恋をし、恋愛関係になります。クリュティエは嫉妬にかられ、レウコトエの父オルカモスに告げ口をするのです。厳格なオルカモスは厳しく育ててきたレウコトエが、男と密通していることに憤慨。なんとレウコトエを生き埋めにしてしまいます。(厳しくも大事に育ててきた娘を生き埋めって…このあたりがヨーロッパの神話のえーーー!ってところですね…。フラワーストーリーズではせめて地下牢に閉じ込めて罰を与えたということにしました。)

アポロンは、レウコトエの亡骸にネクタール(神の飲み物)を注ぎ、乳香(カンラン科に属する大木でその樹脂は香水の原料として利用された)の木に変えて天へと連れて行きました。クリュティエの方は、待てど暮らせど一向にアポロンはやってこない。

失恋してしまったクリュティエは、9日間、食事もとらず、化粧もせず、ずっと太陽を見つめ続けたのです。
朝は東の空、夕方は西の空を。
そして、体の一部が大地に根付き、花になってしまいました。
【いつまでも太陽の方角を見つめながら…】


【太陽を向いて咲く花】ということですが、
具体的にどんな花かと言いますと、実は一つに定まってないようです。ネットで調べてみますと、少なくとも3つの花が挙げられています。
それは、【キンセンカ】 、【ヒマワリ】 、【ヘリオトロープ】 です 。

どの花も、太陽の方に向いて成長し花を咲かせます。
ヒマワリ、ヘリオトロープは、それぞれの学名を Helianthus と Heliotropium といい、ギリシャ語の太陽を意味するHeliosが入っています。

ヒマワリはHelios(太陽)+anthus(花)で太陽の花。
ヘリオトロープはHerios(太陽)+trope(向く)で太陽に向いて咲く花。確かに名前の由来も神話の通りです。
一方、キンセンカですが、学名はCalendula(カレンデュラ )といい、月の最初の日を意味する「Kalendae」に由来しています。カレンダーの語源ですね。
一番、太陽と関係じゃないじゃん。ってことなんですが、有力候補だった、ヒマワリとヘリオトロープは、実はアメリカ大陸原産で、神話の時代のギリシャには存在しなかった花なんですね。キンセンカが再浮上するわけです。どれも可能性があり一つに絞れないのは、こういうことなんですね。作中では、全部の花になったことにしておきました。

さて、夏の花代表格のヒマワリですが、太陽の動きに対して、その方向を追うように花が回ることが和名の由来とされています。ところが、実際は花が回ることはなく、【東を向いたまま】。太陽を追うように回るのは、花が咲く前の成長段階の時だけで、蕾が大きくなって花が咲くころには動きが止まってずっと東を向きっぱなしだそうです。(この性質は、さえぎるものがなく常に日光があたるという条件や、一茎に一輪の花が咲く品種にのみ適用される性質だそうです。)

ちなみにヘリオトロープは、今回調べるまでどんな花か知りませんでした。紫色の可愛らしい花が無数に咲くお花ですね。バニラのような甘い香りがし、フランス語で「恋の花」と呼ばれているようですよ。

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