ガーデニングや庭園めぐりなど花をはじめとする植物に関心を持ち始めるのは、いつ頃からなのでしょうか?もちろん、幼少の頃から好きだって方もいらっしゃると思います。
ですが、社会人になって、年齢を重ね、色んな苦労やストレスなどを経験し、日々の生活に癒しを求めるようになってから、興味を持ち始めたという方も少なくないのでは?
ちょっと古いですが、平成23年度財団法人日本花普及センターがとったアンケートがあります。世代別に植物への興味を問うたものです。『植物にとても興味がある』と回答した方について、10代までは10%前後で推移している一方で、20代で21.5%、30代で29.5%、40代で33.3%、50代で43.7%とグググっと上昇しています。
自分自身を振り返ってみると、幼少から10代の頃は、動物(昆虫や恐竜も含む)、音楽、スポーツ、テレビゲームなどの方がよっぽどか興味があり、ほとんど動かない植物はただの風景に過ぎませんでした。ところが、とあるきっかけで自分の中にわすがな変化が起きました。
そのきっかけとは、【プリザーブドフラワー】を見たことです。
プリザーブドフラワーとは、生花を加工して作る花材の一つなのですが、改めてよく見るとそこに【とてつもない造形美】を強く感じたんです。
元が生花だけあって、人工的には決して再現することのできない、この世で生命しか作り出すことができない造形美です。プリザーブドフラワーからそれを感じてから、実際の生花を注意深く見てみると、そこにはさらにとんでもない美が存在していました。
プリザーブドフラワーは人工的に色を入れていきますが、もちろん生花は自身の体内で色素を合成し彩られています。生まれて初めて、花が【本当に美しい】と感じられました。
世の中には美しいと感じるものがたくさんあります。綺麗な絵画、華やかなイルミネーション。ですが、生花の美しさもそれに勝るとも劣らない、いやむしろ、そこにしかない唯一無二の存在ということであれば勝っているのかもしれません。最先端のテクノロジーを全て集結させたとしても、生命の宿った花の美を人工的には完全に再現する事は出来ない、という事に改めて気づかされたわけです。
さらに生きている花は【変化】します。枯れゆく様もまた、人工的には決して再現できない一種のアートです。花の美しさを大層小難しく考えてしまっているのかもしれませんが、心底そう感じるようになってしまいました。
そうなると、それまでただの風景だった花や植物たちが、突然芸術作品かのごとく見えてくるわけです。街中で見られる花壇の花はもちろん、時には名も知らない雑草までもが美しく見えてくるわけです。もちろん愛情をかけて育てることで、その愛情に応えて綺麗に咲いてくれる喜びも花に興味をそそられる魅力の一つだと思います。
あくまでも自分の場合、花や植物に興味を持つようになったきっかけは、生を全うしている植物しか持ち得ない造形美を感じてしまったことです。
もし、美に興味ある方、一度、じっくりとその色彩や造形美を観察してみてはいかがでしょうか?それまで見えてこなかった何かを感じることができるかもしれませんよ。
実は、自分の中でさらに花や植物の魅力が増したきっかけがありました。
それは、また別の機会で。
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